2022年9月26日、裁判所から「判決は確定しました」という電話を受けたとき、私の心に去来したのは深い安堵でした。正直なところ、その時の私は「もう十分だ。メディアに出るような活動は、これ以上しなくてもいいかな」という思いすら抱いていました。
しかし、一方で「このまま何事もなかったかのように、あの男を許していいのか」という、どうしても消えない思いが私の背中を押し続けていました。
1. Yahoo!特集への実名掲載:予想を超えた「反響」と社会的審判
葛藤の末、私は以前から連絡を取り合っていたジャーナリストの取材を受け、日本最大級のニュースプラットフォームである「Yahoo!ニュース 特集」に実名で登場することを決意しました。
判決が出てもなお、最後まで不誠実な態度を貫いた相手に対し、私の中にあった感情は「許さんぞ、貴様」という、一点の曇りもない決意でした。
記事が公開されると、その反響は私の想像を遥かに超えるものでした。一市民が知略を尽くして30年前の被害を認めさせた事実は、実名という重みを持って社会に突きつけられ、私自身もその反響の凄まじさに驚きを隠せませんでした。それは、相手が守り続けてきた「平穏な引退生活」に対し、避けることのできない社会的審判を下す結果となりました。
2. 朝日新聞「子どもへの性暴力」連載と、記録の蓄積
実は、Yahoo!特集の掲載前から、私は朝日新聞の取材を長期間受けていました。諸事情により掲載が遅れていましたが、判決確定を経て、朝日新聞の特集記事として私の歩みが公になりました。
さらにその後、他の方々の記録も集約したルポルタージュとして、書籍『ルポ 子どもへの性暴力』等が出版されました。その一部に私の記録が収められたことで、30年間の道のりは、一過性のニュースではなく「公の記録」として保存されることになりました。
「被害者は泣き寝入りするしかない」という諦めを、私は「法」と「発信」の力で変えることができたのです。
3. 司法書士としての新たな一歩
この一連の経験を通じて、私は「法律という道具は、正しく扱えば、残酷な過去さえも整理してくれる」という確信を得ました。
当時の私は、肩書きのない一市民に過ぎませんでした。しかし、独学で得た法的な思考を駆使し、下着1枚の訴訟から真実を認めさせることができた。この経験が、私の人生の方向を決めました。
「もっと正確に法を扱えるようになりたい。そして、かつての自分と同じように理不尽な状況に置かれている人の助けになりたい」
その想いが私を突き動かし、月額3,630円ほどの格安講座と他の予備校の安い値段の模試を活用して、2025年2月に司法書士登録を果たすことができました。
4. これからも、新たな人生の道を切り開く
司法書士として登録し、事務所を構えたことで、一つの大きな山を越えた実感を抱いています。しかし、これで全てが完了したわけではありません。
資格は、あくまで新しい人生を歩むための土台です。私は過去の出来事に縛られ続けるのではなく、この専門知識と経験を糧にして、これからも新たな人生の道を切り開いていきたいと考えています。
あなたの「真実」も、法で守ることができる
全5回にわたる私の記録を読んでいただき、ありがとうございました。 証拠がない、時効だ、と諦める必要はありません。知恵を絞り、論理を組み立てれば、道は必ず見つかります。
深刻なトラブルに直面している場合、最も力になれるのは、その分野に精通した弁護士や公的な支援団体です。私自身、司法書士という立場から直接できることは限られているかもしれません。
しかし、もしあなたが理不尽なトラブルに直面し、どこから手をつけていいか分からず立ち止まっているのなら、私のこれまでの経験と法的な知識を、状況を整理するための一助として役立ててください。
「法」という道具をどう使い、どう事実と向き合うべきか。 まずは一歩、共に前を向いて歩き出すための整理から始めましょう。
