犯罪がもたらすのは、一人の悲劇ではない

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犯罪は被害者だけでなく、被害者の家族の人生も変えてしまう

犯罪の被害に遭うこと。

それは、被害者本人だけでなく、その家族にも深い傷を残します。

特に凄惨な事件であればあるほど、その影響は計り知れません。

2015年に川崎市で起きた、当時13歳の中学1年生・上村遼太さんの事件。彼は裸で川を泳がされ、カッターナイフで43カ所も切りつけられ、河川敷で息絶えました。

遼太さんの母親は、朝日新聞の取材でこの10年の苦しみを語っています。

https://digital.asahi.com/articles/DA3S16153391.html?iref=pc_shimenDigest_national1_01

「カーナビが『20メートル先』と案内すると、遼太がはって進んだ距離を思い出してしまう」

日常のささいなことが、事件をフラッシュバックさせます。

遼太さんの母親だけでなく、遼太さんの兄弟姉妹も、それぞれ深い心の傷を負っっています。

長男は自傷行為をするようになり、長女は学校に行けなくなり、次女は他人と本音で話せなったと言います…。

事件は家族全員の人生を変えてしまいました。

犯罪の影響は、被害者だけにとどまらない

私はこの記事を読んで、胸が締め付けられるような気持ちになった。

なぜなら、私自身も中学時代、担任で部活の顧問だった男性教師から性犯罪の被害に遭ったことがあるからです。

私は、被害の影響から、学校が嫌いになりました。

私の日常生活に何ら問題ないことを知りながら、加害教諭の行為を放置し、私を見殺しにした教師も嫌いになりました。

加害教諭に脅されて抵抗できない私を「ぶっ殺すぞ」「死にてえのか」などと言っていた生徒も嫌いになりました。

そして、「家族との関係」も変わりました。

家の中では荒れ気味になりましたし、昼間に自宅にいると加害教諭が押しかけてくるので、部活が休みの日には、バレー部の友人の自宅言って遊ぶようにしていました。

ちなみに、夕方以降は自宅に帰っています。

私は小学校を卒業したときは成績が極めて良かったと自負しています。

その私の人生がここまで変わることを誰が予想できたでしょうか?

加害者は自分の意のままに人をコントロールし、満足だったのかもしれません。

実際、私に危害を加えた加害者は笑いながらこう言っています。

「人生、思い通りにいかないこともある」
「3年くらい我慢しろ」

周囲の教師や生徒たちも、「少しくらいなら問題ない」「なんとかなるだろう」と考えていました。

でも、その「少しくらい」が、私の人生を大きく狂わせました。

私は進学した高校を中退し、その後も大変な思いをしてきました。

加害者の更生よりも、被害者の社会復帰を

「加害者の更生」を叫ぶ人は多い。

再犯を防止するという意味では、分かる要素もあります。

しかし、反省もせず、被害者に賠償することもなく、「反省しています」と一言口にしただけで社会復帰を許されると甘く考えている加害者を見ると、やはり納得がいきません。

このような短絡的で、世間をなめている人間が本当に更正するのでしょうか?

真摯に反省をして、被害者に賠償などをしてきた人間ならまだしも、加害者とすべてを一括する考えには、私は賛成できないです。

本当に守られるべきなのは、被害者の権利ではないでしょうか?

私の中で、「加害者の更生より、被害者の社会復帰を優先するべきだ」という考えは、これからも変わらないと思います。

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