はじめに:少子化社会と小規模校の課題
日本では少子化が進む中、鹿児島県大隅地域のような地方では小規模校が増えています。
その中で、子どもたちの教育環境をどう充実させるかが大きな課題になっています。
特に、小規模校では議論や多様な意見を交わす機会が限られることが多いため、教育の質の向上には工夫が必要です。
今回は、小規模校におけるICTや生成AIを活用した教育の取り組みについて書いた、南日本新聞社の記事を紹介し、その可能性を考察します。
https://373news.com/_news/storyid/205568/
AIを活用した授業の現場
鹿児島県肝付町の岸良学園では、全校生徒20人という小規模校ながらも、生成AIを活用した授業が行われています。
例えば、公民科の授業では、生徒がAIと対話形式で議論を進めることで、自分では気づけなかった新しい視点を得られる仕組みを導入しています。
生成AIの活用について、西康隆校長は「少人数学級で対話形式の授業ができることが、AI活用の大きなメリット」と語っています。
また、垂水市では、離れた学校同士をICTでつなぎ、複式学級を単式化する試みも進行中です。
同じ学年の生徒同士が一緒に授業を受けることで、多様な考え方に触れる機会が増ます。
児童からも「自分たちだけでは思いつかない案が出て楽しい」と好評です。
これらの話から、ICTや生成AIを用いた教育が非常に多くの可能性を含んでいることがわかると思います。
生成AIで広がる教育の可能性
生成AIを授業に取り入れることは、小規模校だけでなく、全ての学校教育にとって有益です。
その理由を以下に挙げます。
学びの多様性を提供
生成AIは、一つの質問に対して複数の視点を提供します。
自分だけで学んでいる場合や、いつもいる仲間とだけ学んでいるとどうしても価値観が画一化しがちですという欠点があります。
しかし、生成AIを用いれば、その意見に対する反論や、自分では気が付かなかった視点を与えてもらうことができます。
たしかに、生成AIは万能ではなく、時折間違うこともありますが、視野を広げ多様な考え方を学ぶという意味では、利用する価値があるものと言えるのではないでしょうか。
人手不足の解消に役立つ可能性
教員不足が深刻化している教育現場では、AIがサポートツールとして機能することで、授業の効率化が期待できます。
最初の頃の生成AIは知識に間違いが多かったのですが、最近は精度が上がり、知識の間違いも少なくなってきました。
AIに教育のすべてを任せることは危険ですし、不可能だと思いますが、知識に間違いがないかを判別できる教師がいれば、教師不足に悩む学校にとっては非常に頼もしい働き手としてAIを活用することができると思います。
自分を守るスキルを育む
多様な考え方を学ぶことは、自己防衛にもつながります。
閉鎖的な環境では、特定の考え方に偏るリスクが高まりますが、生成AIやICTによる学びの多様化はそのリスクを低減します。
多様な視点を得ることで、批判的思考が身につき、他人の意見に流されない力を養えます。
私の中学時代の体験談
これについては私の体験談が役に立つと思います。
私は中学時代担任で部活の顧問から性被害に遭ったのですが、その加害教師のクラスというのが非常に強圧的で抑圧されたクラスでした。
「俺の言うことを聞けないのなら学校を出ていけ」「クラスを出ていけ」とほとんどの生徒が罵倒されていたと思います。
また、生徒の保護者が指導方法に異を唱えると、学活でその生徒を名指しし「教師に逆らいやがって」と文句を言われていました。
自分の気に入らない生徒に対し「○○の代わりにお前が転校すればよかったんだ」と言ったこともあります。
当然ですが、こういった環境からは自由な発想は生まれません。
中学時代に最も奇妙だったときは、担任が教室にいるときはみな黙っているのに、担任が教室を出たその瞬間に、生徒たちがにぎやかになることです。
それだけ、生徒が抑圧されていたのだと思います。
そして、その中から加害教諭による性加害も行われていました。
それを嫌がると一日30発の暴力…。
学校だけでなく、教育に携わる方々には、こういった環境を子供に与えることが適切かという事を真剣に考えてほしいと私は思っています。
生成AIやICT活用の注意点
前も述べましたが、AIを活用する際には、教師がその答えを鵜呑みにするのではなく、適切に補足説明をすることが必要です。
また、教師が自身の考えを押し付ける場面を減らし、生徒自身が主体的に考えられる環境を作ることが求められます。
AIやICTの活用は教育の補助役であり、あくまで主体は子どもたちです。
その視点を忘れないことが最も重要なことだとい思います。
AIやICTで教育をより豊かに
生成AIやICTの活用は、地方の小規模校だけでなく、すべての学校教育に新たな可能性をもたらします。
それは、教育の質を高めるだけでなく、子どもたちが多様な考え方に触れ、自分自身の可能性を広げる大きな一歩になります。
時折話題になる洗脳は、他人とのかかわりを排除して、自分の一方的な思想を押し付けることから始まります。
学校などで起こるスクールセクハラやいじめなども同じです。
それを防ぐには多様な考え方を学び、思考のスキルを向上させるしかありません。
子供は将来の日本の担い手です。
子供たちがどうやって育つかで国の未来は変わっていきます。
教育現場では、生成AIやICTの技術を積極的に取り入れ、子どもたち一人ひとりの個性や潜在能力を引き出す環境を整える必要があるのではないでしょうか。