令和6年度司法書士試験合格のご報告

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令和6年度司法書士試験合格のご報告

令和6年度司法書士試験に合格いたしました。

幸運なことにも、筆記試験では総合点が304点で52位という順位を取ることができました。

いろいろ知識不足の点やミスも重なったので、52位というのは出来過ぎとも思えるのですが、体調面の問題なども多少あった中で、自分が一生懸命勉強してきたことは誇りに思っていいと思います。

司法書士試験の最中も、そして、合格発表の前後においても、このサイトをどうすべきかは悩みました。

司法書士試験合格後には就職活動が控えています。

このサイトを残しておくと、私の名前が検索されて「なんだか面倒な奴だな」と思い就職に支障をきたすこともあると思いました。

また、「『中学時代性被害に遭った人間』とだけ思われるのは嫌だ」というのは常々感じていました。

司法書士としてこれから活躍するのに「中学時代性被害に遭った人間」と言われ続けることも正直抵抗がありました。

そのようなことを考え、合格後はサイトを閉鎖しようかなどと色々悩んでいたのですが、このままにすることにしました。

理由としては、「過去の自分を否定して生きるような生き方はしたくない」ということ、また、「もしこのサイトを見て何かしらの役に立つという方がいるのであれば、そのために残しておきたい」ということです。

私は中学時代担任で部活の顧問から性被害に遭い、その後、人間関係を含め様々な点で苦しんできました。

そのことはあまり思い出したくない思い出なのかもしれませんが、そこから立ち直り、人生をやり直していく姿をお見せするのも大事なことだと思います。

「性被害の後遺症は重大」などとよく言われます。

しかし、言葉で物事を理解するのと、見て物事を理解するのでは全く違います。

私の30代は暗黒時代でした。

40代になっても、人生に特に希望を持つこともできず、ただ毎日を過ごしていました。

昔は「将来は鎌倉にでも住みたいな」「横浜もいいかな」「車はどんな車に乗りたい」「過程をもって子供は何人欲しい」などと希望を持っていたのですが、当時はもう何も考えられませんでした。

私の記事を最初に書いた秋山千佳さんはその時のことをおそらく覚えているのではないでしょうか?

そのつらい時期から、本人訴訟で勝訴し、今回司法書士試験に合格して新たな人生を踏み出せるところまでやってきました。

「みんながお前のような生き方をしているわけではない」「嫌なことがあっても我慢して生きている人間もいる」などという方もいるでしょう。

ただ、私はそういう人生しか歩めませんでした。

すべてが中学時代の後遺症かはわかりません。

しかし、様々なところで私の人生に影を落としていたのは、中学時代の加害教諭だったのも事実です。

訴訟に勝った後も、体調面で優れない日々が時折ありました。そして、それは今でもあります。

理由はわかりませんが、昨年の8月くらいからは、少しずつ体調面もよくなり、笑顔になる日も増えました。

長い道のりですが、少しずつ回復の兆しが見え始めました。

その私がこれから司法書士として活躍する姿を世間の皆様にお見せすることで、「回復したらこんなにも違うんだ」「だからやはりそういうことはしてはいけないんだ」と思っていただくことで、何かしら社会の役に立てるのではないかと現在は思っています。

回復の前と後を比較して見せるというのは、ある意味で自分をモルモットとすることです。

ただ、その役割を担える人間はあまり多くないと思います。

あまり好ましいことではないのかもしれませんが、そのことにより多くの方に何かを感じていただければと思い、このサイトを続けることにしました。

当然ですが、司法書士という専門家になる以上、常軌を逸した発言はできません。

ただ、その中には学校内でのいじめや性被害、企業におけるセクハラパワハラの話も入れていければと思います。

このページ自体の更新頻度については不定期になると思いますが、ご理解いただければと思います。

最後に、秋山千佳さんをはじめ、お世話になった方へのお礼を言わせてください。

秋山さんとお会いしたのは2018年3月12日でした。

その時から、秋山さんは私の件について、雑誌保健室やヤフー特集などで何度も記事にしてくださいました。当時一人も見方がいなかった私が、本人訴訟で加害教諭に勝ち、中学時代の性被害について認めさせることができたのは、秋山さんの力によるところが大きいと思います。

また、私の被害について掲載してくれた雑誌保健室(現在廃刊)を出版していた本の泉社さんにも、本当に感謝しています。あの雑誌がなければ、今の私はなかったと思います。

さらに、裁判中、何度もメールでやり取りをしてくれた朝日新聞の藤野隆晃記者、そして、私の性被害の記事を掲載してくれた朝日新聞社をはじめとする様々なメディアの方にも本当にお世話になりました。

加えて、名前を出すことはできませんが、加害教諭の行為に問題のある部分があると教えてくださった方々もいらっしゃいます。

そういったすべての方々にお礼を申し上げたいと思います。

本当にありがとうございました。

司法書士試験に合格しただけでは、まだ何も成し遂げたわけではありません。

これから様々なことを学び、また、様々な方とかかわる中で、成長していく必要があると思います。

私は現在49歳です。

かつて孔子は、「50にして天命を知る。」と言いましたが、私にはあと1年あります。

1年後に天命を知っているかどうかはわからないのですが、残りの人生を充実したものにするために、時間を大切に頑張りたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

令和6年11月5日 司法書士試験最終合格の日に

栗栖 英俊

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