「内容証明を出すと言うと、相手が怒って裁判になるのではないか」
このように心配される方は少なくありません。
実際、法律相談でも
- 内容証明を出すのは怖い
- トラブルが大きくなりそう
- 相手を刺激してしまうのではないか
という質問をよく受けます。
しかし結論から言うと、これは大きな誤解です。
内容証明郵便は裁判とはまったく別の制度であり、むしろ裁判になる前の段階で問題を解決するための手段として使われることが多いものです。
今回は、内容証明に関する代表的な誤解である
「内容証明を出すと裁判になる」という考えについて解説します。
内容証明とは何か
まず、内容証明郵便とは何かを整理しておきましょう。
内容証明とは、
「いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったのか」
ということを、日本郵便が証明してくれる郵便制度です。
つまり内容証明は
- 裁判所の手続きではない
- 強制力もない
- 単なる「証拠付きの手紙」
という位置付けになります。
このため、内容証明を送っただけで
- 相手が裁判を起こす
- 自動的に裁判になる
ということはありません。
内容証明を送る目的
では、なぜ内容証明を送るのでしょうか。
主な目的は次の3つです。
①意思表示を証拠として残す
例えば
- 契約解除
- 代金請求
- 損害賠償請求
などの意思表示をした場合、後で
「そんなことは言われていない」
と言われることがあります。
内容証明郵便を使えば
いつ、どのような意思表示をしたのか
を証明できます。
②交渉を進めるため
実務では
- 電話
- メール
では対応しない相手でも、
内容証明郵便が届いた途端に態度が変わる
というケースは珍しくありません。
これは相手が
- 法的トラブルになる可能性
- 証拠が残ること
を意識するためです。
内容証明で状況が変わった実例
これは一つの例ですが、ある方が高額なパソコンを購入したところ、購入から数日後、特に落としたり衝撃を与えたりしたわけでもないのに突然画面が故障してしまいました。
メーカーに連絡したところ、
「保証規定により、有償修理しか受け付けられません」
という回答でした。
納得できず何度か問い合わせをしても、メーカーの対応は変わりませんでした。
しかし、その後、内容証明郵便で事情と法的な主張を整理して通知したところ、メーカーの対応が変わり、最終的には代金の全額返金に応じたというケースがあります。
もちろん、内容証明を送れば必ず同じ結果になるとは限りません。
ただ、内容証明によって
- 請求内容が正式な文書として残る
- 相手に法的トラブルの可能性を意識させる
という効果があります。
そのため、内容証明を送ることで
「こちらも本気で対応する意思があります」
というメッセージが相手に伝わり、状況が動き出すことも少なくないのです。
③裁判を防ぐため
意外に思われるかもしれませんが、内容証明は
裁判を起こすためではなく、裁判を避けるため
に使われることも多いです。
例えば
- 請求内容を整理する
- 交渉の余地を示す
- 解決期限を設定する
ことで、裁判をせずに解決するケースが少なくありません。
内容証明を送ったから裁判になるわけではない
ここで重要な点を整理しておきます。
内容証明を送った場合でも
- 相手が支払う
- 話し合いになる
- 無視される
など様々な結果があります。
内容証明を送ったからといって、自動的に裁判になるわけではありません。
これはご理解いただきたいと思います。
内容証明で重要なのは「文章」
内容証明で重要なのは
どのような文章を書くか
です。
よくある誤解として
- 強い言葉を書いた方がよい
- 相手を威圧した方がよい
と思われる方がいます。
しかし実際には
- 感情的な文章
- 脅迫的な表現
は逆効果になることもあります。
重要なのは
法律関係を整理した冷静な文章
です。
専門家に相談した方がよいケース
内容証明は本人でも出すことができます。
しかし次のようなケースでは、専門家に相談した方がよいことがあります。
例えば
- 契約トラブル
- 高額な金銭トラブル
- 相手が企業の場合
- 法律関係が複雑な場合
文章の書き方によっては、本来主張できた権利が十分に伝わらない可能性もあります。
内容証明はトラブル解決のための手段
内容証明については
「出すと裁判になる」
という誤解が広くあります。
しかし実際には
- 内容証明は裁判ではない
- 強制力もない
- 証拠を残すための郵便制度
です。
また、内容証明は
トラブルを裁判に発展させないための手段
として使われることも少なくありません。
また、内容証明を送ったからと言って、必ずしもこちらの要求を相手が飲むとは限りません。
常に無視されるリスクはありますが、それを覚悟したうえで送るのであれば問題ないと思います。
内容証明の作成について
内容証明郵便は、ご本人でも作成して送ることができます。
しかし、契約関係や法律構成を誤ると、本来主張できる権利が十分に伝わらないこともあります。
特に
- 契約トラブル
- 初期不良などの商品トラブル
- 未払い金の請求
- 契約解除の通知
などの場合には、法律関係を整理したうえで内容証明を作成することが重要になります。
今回は司法書士行政書士の立場から、内容証明について説明させていただきました。
このサイトでは、私の過去の被害についての記事も記載していますが、トラブルというのはそれ以外にも多くのものがあります。
「トラブルに巻き込まれたが、傷口を広げる前に何とかしたい」
「相手に警告をすることで、トラブルを防止することはできないか」
などの悩みをお持ちの方は多いと思います。
内容証明の作成でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
内容証明以外の相談には一切お答えしません。
また、このお問い合わせ先は業務に関する相談のみ受け付けております。
業務に関わらない相談を何度も送られた場合は、業務妨害罪として、刑事告訴する場合もあるのでご注意ください。
