修徳高校サッカー部元監督に懲役10年の実刑判決
本日、修徳高校サッカー部の元監督が、男子部員に対するわいせつ行為で懲役10年の実刑判決を言い渡されました。
この問題はかなり前にも記事に出ていたと思います。
懲役10年の実刑判決と言っても、地裁の判決ですから、被告側が控訴する可能性があります。
ちなみに、民事裁判では控訴期間は、判決が届いてから2週間ですが、刑事事件では、判決言い渡し日の翌日から14日間だそうです。
民事裁判では、判決言い渡し日に被告が法廷にいるのはまれですが、刑事事件の場合は被告は法廷にいますからね。
そういうことが理由なのでしょうか?
とりあえず、まだ確定していないということだけは事実です。
修得高校サッカー部の歴史と名声
修徳高校サッカー部と言えば、元日本代表の北澤豪選手を輩出した名門校ですよね。
確か、私の中学時代の同級生も修得高校のサッカー部に行っていたと思います。
冬の選手権では、山口県の多々良学園にPK負けだったと思います…。
実はそれだけではないんですよね…。
私の母親は修徳高校の近くの中学出身なのですが、実は中学時代修徳高校から「授業料免除の特待生で来ませんか?」と言われたといいます。
結局は断ったんですけどね…。
まあ、そんなこともあり、サッカーや野球で修徳高校が出ているときは、私はいつも修得高校を応援していました。
部活動顧問と生徒の関係に潜むリスク
私の体験も交えて話すのですが、部活の顧問が部員に暴力をふるったり、わいせつ行為をするというのは少なくないと思います。
そして、これは男女関わらないと思います。
教師と生徒の間には支配関係が生まれやすいといいますが、特に部活の顧問と部員の間はより強い支配関係が生まれがちです。
私が通っていた高校はそういった関係はなかったのですが(被害に遭ったのは中学時代です)、いわゆるスポーツの強豪校では卒業後も同窓会などを開いては、顧問に挨拶をするという話を聞いたことがあります。
「先生お世話になりました」と卒業生一同が頭を下げる光景は私の時代にはそれほど珍しいものではありませんでした。
どれだけボコボコに殴られても、時には大けがをしたとしても「あの時があるから今の自分がある」と言わされ、もし、人生うまくいかないことがあった時は「あいつは自分に負けたんだ」と言われた経験をお持ちの方は意外に多いのではないでしょうか?
私に言わせると「訳が分からない」話です。
そして、それは現役の部員たちにも波及します。
「あいつらの時代はこの程度は我慢した」「お前らは我慢しないから上にいけないんだ」「もっと上に行きたいのであれば、俺の言うことを聞け」などと言われるわけです。
強豪校の選手には様々な家庭の子供がいます。
そして、その中には、母子家庭で授業料免除の特待生で入学した子供や、周囲の期待を背負って故郷から出てきている子供など特別な背景を持った子供もいます。
この「活躍しないで帰るわけにはいかない」「ここで我慢しないと親が悲しむ」といった子供の純粋な心に漬け込むのが、質の悪い指導者なのです。
最初は彼らも「ちょっとおかしいんじゃないの」とか思っていたのだと思います。
場合によっては「先生何言ってるんですか」と笑っていたこともあるのかもしれません。
しかし、そういった状況があまりに継続していくと次第に思考能力が失われていきます。
そして、さらに強烈な一言を言われたりもします。
それは「お前ひとりのせいでみんなが迷惑してもいいのか」「みんなの努力を無駄にする気か」といった言葉です。
この「みんな」という言葉ほど怖いものはありません。
一緒に練習してきた仲間ですから、どれだけ大変な思いをしてきたかは互いによくわかっています。
その友達の顔が頭に浮かんでくるわけです。
何も言えなくなっても仕方がないですよね…。
ある意味、よく表に出たと思います。
それだけ、こういった特殊な関係においては、声を上げたりするのは大変なことだというのは理解してほしいと思います。
学校での暴力や不正行為を防ぐための対策(会社法から学ぶ統治体制)
ただ、こういった問題に対して「大変だよね」で終わらせてしまうのも問題ですよね。
私たち大人が子供を守るための手段を考えなければいけません。
こういった記事が出るとき、ヤフーでは「あなたは困ったことがあるとき相談する先を知っていますか」というアンケートをすることがあります。
そのアンケートの結果をよく見ていただきたいのですが、半数以上の方は「相談先を知らない」と答えています。
こういったアンケートに答えるのは大人が多いので子供の場合にそのまま当てはめるのはいけないのかもしれませんが、多くの方が困った時、誰にも相談できないというのは事実だと思います。
会社法のガバナンスから学ぶ組織の健全化
司法書士試験を受けた方ならわかると思うのですが、司法書士試験の科目には会社法という科目があります。
会社法において取締役会設置会社は所有と経営が分離されています。
わかりやすく言えば、株主が会社の所有者ですが、会社の方向性を決定づけるのは、取締役会設置会社においては、取締役会だということです。
もっとも、この取締役会が権限を濫用することがあります。
それを防止するために会社法では様々な制度があります。
監査役による業務執行の監視もそうですし、会計について会計監査人にチェックさせるというのもその一つです。
さらに、取締役の一部に社外取締役を入れることもあります。
「専門的なことを言われても素人にはわからないよ」という声もあると思います。
そういう方にわかりやすく言えば、「内部の問題を内部の人間だけで処理するのではなく、関係の薄い第三者を入れることで経営を健全化することができるように、会社法では様々な制度がある」ということです。
学校と部活動における「第三者」の役割の必要性
私はこういう考え方を、学校などでも採用すべきだと考えています。
部活動に係る人間が、顧問とコーチ、保護者だけだと何か問題が起きたとき「ほかの選手はどうなるんだ」とか、「学校の評判が悪くなったらどうするんだ」などという意見が飛び交い、本来守るべき子供を守ることができなくなることがあります。
最悪の場合は、問題を起こした指導者や部員はそのまま学校に残り、被害に遭った部員だけが退学するといったことにもつながります。
こういったことを防ぐためには、法律の専門知識を持った弁護士や、心理学について大学院などでも学び十分な経験を有するカウンセラーなどをしっかりと配置する必要があると思います。
現在でもスクールカウンセラーの制度はありますが、実際は週に2回程度しか来なかったり、来る時間が限られていて、生徒たちの悩みを十分聞ける体制になっているかは疑問があります。
制度自体を設計することは悪いことではありません。
しかし、その制度が有効に活用されているかについて検証をすることは必要だと思います。
ちなみに、会社法は毎年のように改正されています。
それだけ社会というものは変化に富んでいるということだと思います。
まとめ
今回は、学校の問題を会社法の統治体制などから考えてみましたが、いかがだったでしょうか?
私の考えは素人考えで「そんなもの通用しない」というものもあると思います。
ただ、100あるうちのアイデアのうち、一つでも通用するものがあれば、それは有益なのではないでしょうか?
反社会的な行動や誹謗中傷などではなく、それぞれが自分なりのアイデアを出し合うことは、私は悪くないことだと思います。