千葉県松戸市で教諭による体罰事件が発覚
2025年4月、千葉県松戸市立の小学校に勤務する30代の女性教諭が、特別支援学級の2年生男子児童に対して体罰を加えていたことが報じられました。
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/1425601
報道によると、教諭は児童をごみ箱の中に立たせた状態でごみ箱を蹴り、転倒させるという行為に及び、児童は前歯1本を損傷するけがを負ったとされています。
さらに問題を深刻にしたのは、教諭がこの行為について校長に対し「蹴ったのはごみ箱だけで、偶然当たった」と虚偽の報告を行っていた点です。
後に警察の指摘で事実との食い違いが明らかとなり、校長や教育委員会が記者会見を開き謝罪しました。
私自身、松戸市の小学校中学校の出身です。
中学時代には担任で部活の顧問から性被害に遭いました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c3f08455a7e1c422c7390bdcf7a09d41a362ebe
https://digital.asahi.com/articles/photo/AS20230228001995.html
今回は当時のことも振り返りながら、この事件について書いていきたいと思います。
特別支援学級で起きた体罰|重く受け止めるべき理由
特別支援学級は、支援が必要な子どもたちに対して特別な配慮と専門性が求められる教育現場です。
そうした場所で、力に任せた指導が行われたという事実は、保護者や教育関係者にとって大きな衝撃です。
また、虚偽報告によって、学校内での早期対応も遅れました。
この事自体も重大な問題です。虚偽の報告がなされれば、学校としても適切な対応を取ることが出来ません。当然ですが、問題の解決も遅れることになります。
私自身、中学1年のときは学年主任と体育教師に、加害教諭に股間を触られていると報告していますが無視されました。
中学2年、3年時には、他の教師たちの前で被害を報告したのですが、そのことで何かしらの対応がされることはありませんでした。
ちなみに、加害教諭は他校に転勤後問題を起こし、生徒の訴えにより転勤させらていたそうです。
さらには、私が塾講師をしていたときには、他の教師たちの見ている前で毎日のように生徒たちの股間を触っていたそうです。
私が中学生の時にきちんと対処していれば、いずれの問題も起きなかったかもしれません。
いずれにしても、児童や保護者からの訴えに、真摯に対応をしないということは、児童本人や保護者の信頼を裏切るだけでなく、学校全体の信頼性を損なう深刻な問題といえます。
私の視点:「叱る力」を失った現代の教師たち
私はこの事件を通じて、現代の教師は叱ることが下手になってしまったのではないかと感じました。
体罰を肯定するつもりはありません。
しかし、私が子どもの頃には、厳しく叱る教師もいたものの、最低限、感情をコントロールしながら「指導」をしていた印象があります。
今回の件について言えば、おそらく昔なら多くの教師は、「ゴミ箱から出なさい」と言った後に、冷静に注意を与えたのではないでしょうか?
ところが今回のように、ごみ箱に児童を入れ、そのまま蹴ってしまうという行為は、もはや教育的な指導ではなく、感情の爆発に他なりません。
問題は、暴力そのもの以上に、教師自身が自分の感情を制御できていないことだと思います。
まあ、今回の問題も、問題を起こした教師のしたことで、他の教師は関係ないわけですから、この事をもって、現在の教師の指導レベルが低いとまで言い切ることは出来ないのですが…。
なぜ「叱れない教師」が増えてしまったのか?
近年、「叱ること」が極端に難しくなった背景には以下のような要因があると考えられます。
- モンスターペアレントの存在による委縮
- SNSや報道による炎上リスクへの過剰な警戒
- 教師不足による経験不足と研修の形骸化
- 心理的ストレスや孤立が引き起こす感情の不安定さ
私が中学生の頃は、教師は問題を起こしても平然としていました。
「学校や教育委員会が守ってくれる」「教職員組合が守ってくれる」というわけです。
これはこれで非常に問題です。
ただ、現在の教師は、「何かあれば自分たちが白い目で見られる」というプレッシャーがあるとは思います。
そういう意味では気の毒だと思います。
ただ、たとえモンスターペアレントと言われる保護者がいたとしても、「今この子にはこういう指導が必要なんです」ときちんと言うことも大事だと思います。
昔は、毅然としていた先生もいたんですけどね…。中学時代は一人もいませんでしたが…。
管理職の問題もあるのでしょうが、色々と思ってしまいます。
再発防止に向けた対応|感情ではなく信頼に基づく教育を
松戸市教育委員会は、今回の事件を受けて以下のような再発防止策を講じるとしています。
- 教職員への人権意識向上の研修強化
- 校舎内の死角を減らす取り組み
- 適切な指導・記録体制の見直し
内容だけを見れば適切でしょうね…。
ただ、それだけでは足りない気がします。
なぜこの先生がそういう行動に及んだのか、学校や教育委員会の中に、悩みを相談しにくい要素があるのではないかということも調べる必要があると思います。
すべての問題を一人で抱えれば抱えるほど、ストレスがかかりますから…。
教育現場に必要なのは、「怒り」ではなく「伝える力」
教育現場では、厳しさも必要です。
しかしそれは怒りや暴力ではなく、子どもに「伝わる言葉」で誠実に向き合う姿勢があってこそ成り立つものです。
「叱る」という行為は、本来、相手への愛情や信頼関係に裏打ちされたもの。
それを失い、ただ感情をぶつけるだけになってしまったとき、教育は教育でなくなります。
私に性暴力を加えた加害教諭は、性暴力意外の問題も抱えていました。
職員会議で自分の言い分が通らないと、教室に来て生徒に八つ当たりをしたり、自分に嫌なことがあると他の生徒の悪口を言ったりとやりたい放題でした。
当時のクラスメイトや、同学年の生徒たちが何をいうかわからないですが、彼らがこの人物から愛情を感じたことは皆無だと思います。
子どもは身体的にも精神的にも未成熟です。しかし、その言葉が自分の為を思っていってくれているのか、それとも単に八つ当たりをしているのかは見抜くことが出来ます。
ぜひ、教育に携わる方々は、自己の指導についてもう一度考えていただきたいと思います。
今回の事件は松戸市で起きましたが、それ以外の市町村や県でも起きる可能性があります。
私たちは「叱るとは何か」「教師とは何か」を改めて問い直す必要があるのではないでしょうか。