なぜ勉強しなくちゃいけないの?:子どもが学び続けるために親と教師ができること

親や教師であれば「なんで勉強しなきゃいけないの?」と子どもに尋ねられた経験はあるとおもいます。

この問いに的確に答えるのは簡単ではありません。

しかし、勉強の意味を理解することは、子どもの可能性を広げる鍵となります。

今回は、では、学びの重要性とその楽しさを引き出すための教育の在り方を考えます。

https://diamond.jp/articles/-/353475

目次

子ども時代の学びが人生を形作る理由

学びの習慣が将来を決める

子どものころに身につけた学びの習慣は、人生全体にわたって影響を与えます。

幼少期から中学、高校生の間に学ぶ「知識」や「学習意欲」は、将来の選択肢を広げ、人生を豊かにする基盤となります。

記事によると、ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・ヘックマン氏の研究によれば、幼児期からの教育投資がその後の生涯収入や生活の質を向上させることが証明されているとのことです。

私自身の体験より

これは私自身の体験なのですが、私の世代は就職氷河期と言われる世代です。

ただ、その世代の中でも、非常に苦労しているのが、勉強の習慣を身につけていない人間です。

そういう人間は、就職であったり人間関係であったり、様々な点で問題を抱えていることが多いというのが本音としてあります。

私自身も今年の司法書士試験に合格しただけで、これからどうなるかはわかりません。

ただ、司法書士試験に合格し、人生を変えるきっかけのようなものをつかめたのは、子供のころ(小学生のころ)にしっかりとした学習習慣を身につけていたことが大きいと思います。

子供の頃に勉強していなくても成功している方は大勢います。

ただ、そういった方は、何かに熱中していたという経験をお持ちの方が多い気がします。

たまたま、学校の勉強が合わなかったというタイプの方ですよね…。

やはり、子供の頃に何かをきちんとやっておくという習慣は、将来に役に立つと思います。


なぜ学ぶのか?子どもに伝える2つの理由

「何で勉強するの?」と言われて、今の私ならどうこたえるかを考えるといくつかの答えがあります。

選択肢が増える

一つ目の答えは「選択肢が増える」ということです。

勉強をすることで、人生の選択肢が広がります。

最近「見る将」といって、将棋を見るファンの方が増えています。

こういった方々も将棋をされる方にとっては非常に重要な存在であることは私も理解しています。

ただ、将棋のルールを理解して、駒の動きを学べば、自分で将棋を指すことができるようになります。

要するに選択肢が増えるわけです。

学ぶことにはこういった効果もあります。

お金を稼げるようになる

さらに現実的な話をすれば、学べば学ぶほど生涯収入が高くなります。

記事では、科学的な研究では、学びを続けた人は生涯収入が高くなることが明らかにされているといいますが、私の周囲を見ても勉強熱心な方はお金を稼いでいる方が多いです。

また、勉強熱心な方の周りには、いい友人が集まる傾向があると思います。

もしウソだと思うのであれば、自分が勉強していなかった時と勉強していた時の周囲にいた人間を比べてください。

一目瞭然だと思います。

騙されにくくなる。

もう一つ大事なことがあります。

それは「騙されにくくなる」という事です。

現在「闇バイト」が世間をにぎわせています。

彼らは強盗殺人の刑期が無期か死刑しかないことを知っているのでしょうか?

やった後に「そんなに重いと思わなかった」というのであれば、無知だと思います。

子供の頃は知らないことが多く、それを利用してよからぬことをたくらむ大人がたくさんやってきます。

それに騙されないためには、学校の教科の勉強をするだけでなく、法律などについても、ある程度知っておくことが必要です。

今の時代は、私が中学生だった時に比べネットが発達しており、様々なところで誘惑があります。

そういった誘惑に騙されないためには、情報の見方や法律の知識など様々な知識を学んでおく必要があると思います。

ある意味今の子供は大変ですよね…。


    子どもが学びたいと思う環境をつくる重要性

    私自身が学習意欲をなくした体験

    子どもの学習意欲は、環境によって大きく左右されます。

    私が中学生の時、私に性加害を加えた、担任で部活の顧問であった加害教師は様々な問題を学校内で引き起こしました。

    その一つが、生徒に学習習慣を身につけさせなかったことです。

    生徒が自分の言うことを聞かないと「俺の言うことを聞けないのならクラスを出ていけ」「学校を出ていけ」と怒鳴りつけました。

    また、授業中に生徒の悪口を言いふらした結果、私たちは本来文部科学省(当時は文部省)が学習指導要領で予定されていたカリキュラムをこなさずに1年を過ごしました。

    さらに、学校行事中心主義の加害教諭は「学校行事があるときは勉強しなくても仕方がない」といい、生徒たちに「行事で忙しくても勉強はしっかりするように」という事はなかったです。

    加えて、加害教諭の性加害を嫌がり学校を休んでいた私が、遅れを取り戻そうと昼休みに勉強をすると「資本主義の犬」「点取り虫」「ガリ勉」などと揶揄される始末でした。

    なぜ私がこのようなことを述べるかと言えば、このような環境下においては生徒の学習意欲が極めて低下するからです。

    実際私自身も中学時代が学習意欲が極めて低下しましたし、クラスの他の生徒の学習意欲も低下していました。

    学年の他の先生方からは「学年一(成績が低い)のバカクラス」と言われていました。

    しかし、担任である加害教諭は平然としていましたが…。

    教師と親の役割:学びの楽しさを育てる

    私たちが体験したように、教師が「俺の言うとおりにしろ」と支配的な態度を取ると、子どもは学ぶ意欲を失います。

    学びを押し付けるのではなく、子どもの興味を引き出すことが重要です。

    教師の本来の役割は、子どもが「もっと知りたい!」と思う環境を作ることです。

    「試験に出るから覚えなさい」ではなく、「これを知ると世界がこんなに広がるんだよ」と示す指導が求められます。

    これを言ってはいけないのかもしれないのですが、現実問題として教師と生徒に合う合わないはあると思います。

    ただ、教師がやってはいけないのが、生徒を悪くすることだと思います。

    学習習慣のあった生徒から学習習慣を奪ったり、生活態度の良かった生徒に「不良と付き合え」などと言って生活態度を悪く使用などという事だけは、避けていただきたいと思います。


    学校は知識だけではなく「生き方」も学ぶ場

    学びの多様性を提供する教育

    学校は、ただ勉強をする場所ではありません。

    社会のルールや人との関わり方、トラブル(いじめや学校内での性加害問題など)に対処する知識も学ぶ重要な場です。

    教師が生徒に「俺の言いなりになれ」というのではなく、子どもにさまざまな選択肢を見せ、興味を持ったものを伸ばしていく教育が理想です。

    これも私個人の体験なのですが、高校時代のバレー部の顧問は「こうしろ」と私に命令をすることはありませんでした。

    また、他の先輩方に彼が言っていたことについては「○○は体型も跳躍力もお前と違う」「あいつに行っていることがお前にも正しいとは限らない」と私に伝えました。

    教師にとっては非常に大変かもしれませんが、生徒の特長はみなそれぞれ違います。

    教師が何かを押し付けて大喜びするのではなく、「君に合う道を一緒に探そう」という姿勢が大切なのではないでしょうか。


    教育の未来:学びを支える環境改革

    上が変わらなければ下も変わらない

    教育現場の改革には、教師個人の努力だけでなく、教育委員会や管理職の意識改革が必要です。

    「根性論」や「精神論」に頼る教育は、現代社会には通用しません。

    組織が変わるには、教職員一人ひとりの意識を変えることも重要ですが、上の意識が変わることが最も重要なことです。

    上が変わらなければいつまでたっても組織は変わりません。

    教育委員会や管理職の方々は、そのことを肝に銘じていただきたいと思います。


    楽しく学ぶことで広がる未来

    学ぶことは、知識を得るだけでなく、人生を豊かにする方法を知ることです。

    私は夏目漱石が好きで大学時代よく読んでいたのですが(実家に全集もあります)、夏目漱石の小説が実生活に役立つかと言えばそうでもありません。

    しかし、夏目漱石などの小説を読むことは知識を豊富にして、人生を楽しいものにしてくれます。

    勉強の楽しさや意義を子どもたちに伝え、自発的な学びを促す環境を整えることが、親や教師の役割だと思います。

    1人でも多くの子供が学ぶことを楽しいと思え、自分なりに「何を学ぶか」と真剣に考えるようになれば日本の未来は明るくなると思います。

    多様な学びを実現できる社会こそが、求められているのではないでしょうか。

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